「うつ病はこころの風邪」という言葉をよく聞きます。

「風邪のように、うつ病は誰もがなりうる」
という意味では確かにそうなのですが、『治りにくさ』という面に目を向けた場合、風邪とは比較にならないほど治りにくく、とてもつらい病気です。


うつ病になって数年ひきこもってしまうのは珍しくありませんし、病院に通って2~3カ月で調子が上向きになってきた人たちでさえも、頑張って社会に戻ろうとするとうまくいかず復帰に失敗して再び家で過ごすという日々を送る人たちも多くいます。


なぜ、うつ病は簡単には治らないのでしょうか。

薬物療法は「対処療法」であり「根本療法」ではない

※誤解のないように最初に断っておきます。私は「薬物療法肯定派」ですし、実際に薬物療法も行っています。ただ、「薬物療法『だけ』に頼る」というのには賛成できません。




まず第一に、一般的にうつ病の治療として用いられる「薬物療法」は、残念ながら「対処療法」でしかないという点があります。


抗うつ剤は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの精神に好影響を与える脳内物質の摂取を増やしたりするものです。

しかし、本来は食事などからセロトニンなどを増やすべきところなのに、無理やり脳の仕組みを変えているだけで根本的な解決にはなっていません。

薬物療法「だけ」では実際には3割程度の人しか改善しない

とはいっても、それでも抗うつ剤によって症状が改善していけば、生活に余裕ができその間にストレス耐性などが身に付き改善に向かっていくことももちろんあります。

ですが、残念ながら抗うつ薬「だけ」ではあまり多くの人はうつ病は改善しないのです。


薬物療法は5~6割程度の人に改善効果があるというデータがありますが、実際は3割程度です。

なぜかというと、5~6割のうち2~3割の人たちは抗うつ剤を使わなかった場合でも自然治癒できていた人たちだからです。


「対処療法で根本療法ではない」
「抗うつ剤が効く人は少ない」


これではうつ病がなかなか治らない人たちが多くなってしまうのも仕方ありません。

カウンセリングや認知療法はエネルギーを多く使う

薬物療法とともに多くの現場で用いられている治療法が「カウンセリング」や「認知療法(認知行動療法)」などです。

こちらは心の奥底にたまったトラウマの解消や、ストレスを受けやすかったり疲れやすく不安を感じやすい考え方を改善していくというやり方なので「根本治療」です。

なので、うまくいけば非常に効果のある良い治療法です。


ただ、問題なのが「うまくいく可能性が高くない」という点です。

その原因の一つが「うつ病患者のエネルギー不足」にあります。


病院などでカウンセリングや認知療法を受けて歪んだ考え方や認知を直して、その場では気分が和らいだとしても、実際には生活の中でその考え方を実行していかなければいけないのですが、これが非常に大変なことです。


うつ病患者はそもそも「エネルギー不足」に陥ってしまっています。

今まで受けてきたストレスにより、脳に異常をきたしていたり、栄養が不足していたりします。

その状態で外に出て正しい考え方を実行していくというのは、非常に大変で難しくうまくいかないのも当然なのです。


※こうは言いましたが、薬物療法同様にカウンセリングや認知療法を否定しているわけではありませんし、肯定派です。歪んだ考え方を直すというのはストレスに強くなるためにも非常に重要なことは間違いないので誤解しないでほしいです。精神療法をおろそかにしていいというわけではありませんが、最初から精神療法『だけ』に頼るのは難しいと考えています。

うつ病を直すには「エネルギー不足(栄養不足)」の改善を図る必要がある

うつ病の人はエネルギーが足りていないし脳もボロボロになっているのに、栄養や運動による改善を勧めてくれる病院はあまり多くありません。

抗うつ剤で対処療法的に症状を緩和するか、エネルギー不足の患者にカウンセリングを行うしかしないところが多いのです。

これではうつ病がなかなか改善していかなくても当然です。


うつ病の人がやるべきことは、まず「エネルギー(栄養)」を回復(補給)することです。


ちなみに「うつ病の人は休むことが大事」ということ自体はよく言われていることです。

しかし、これ自体もまた誤解を生んでおり、うつ病を長引かせる原因にもなっています。


「仕事や無理な行動はしないで休む」という意味では正しいですが「家でゆっくり寝て過ごす」という意味での「休む」は間違いです。

家でゴロゴロ休んでいること自体、本来真面目な人が多いうつ病患者にとっては罪悪感を感じてストレスを感じてしまいますし、何より健康的ではなく、血流の悪化や自律神経の乱れなどうつ病の悪化を招いてしまいます。


休むことは確かに大事なのですが、いわゆる「アクティブ・レスト」と言われるような外に出て森や川などで自然を感じたり、軽いスポーツや散歩などをして爽やかな汗を流して気分転換を上手に図ることが重要となってきます。


もちろん、かなり重度のうつ病の人の場合はストレスにかかわらないように家で過ごすのは間違いではないのですが、そうではない外出などはできるぐらいのうつ病患者にとっては家で寝ているだけでは逆効果になります。

うつ病がなかなか治らない原因のまとめ

薬物療法などの「対処療法」だけではいつまでたってもうつ病の症状やストレス耐性の低さは根本的には改善されていきません。

根本的に改善していくには、「精神療法」や「カウンセリング」は有効ですが、エネルギー不足となっているうつ病患者などには難しいものとなっています。


ですから、「食事」や「サプリメント」などでエネルギーを回復していき、外に出るなり趣味をするなりして気分転換を図りつつ「リハビリ」などの行動をしていくことが大事です。


そしてその考え方の軸となる「根本療法」こそが「栄養療法」となります。


「栄養療法」を基本軸において、「精神療法」や「薬物療法、」さらに「睡眠の改善」や「運動」などの対策を並行して行っていくのが良いと、私は考えます。


栄養療法については次の記事で紹介していますので、良かったら参考にしてみてください。

>>うつ病の改善に効果的な栄養療法(オースモレキュラー療法)とは?