前回の記事では、不安や緊張のメカニズムについてお話ししました。

前回記事:>>対人関係の不安や緊張が強い人の「3つの思い込み」とは?


不安や緊張が強い人は「間違った思い込み」をしている可能性が高く「自分のことばかりに目が向く」ために「現実の受け取り方や考え方が極端になる」ことで、さらに「間違った思い込み」が強くなって悪循環に陥るということでした。

今回はさらに踏み込んで「なぜ不安や緊張が強くなるのか?」ということについてお話していきます。

不安や緊張が起きること、回避すること自体は自然のこと

不安や緊張を感じると
・体がこわばる
・汗をかく
・手足が震える
・頭が真っ白になる

などの症状が起きます。

これ自体は、人間だれしも共通して起きる症状でごく自然なことです。

しかし、不安が強い人にとっては、これらの反応を
「対人関係やコミュニケーションがうまくいっていない証拠だ・・・!」
と深く考えてしまいます。


不安や緊張を感じる場合、それらから「逃げよう」としたり「なんとかしよう」と対策するのも自然なことです。

恐怖から身を守るために「安全確保行動」をとること自体は原始時代から受け継がれている人間の本能です。


ですがこれも、不安や緊張が強い人は安全確保行動を「取りすぎる傾向」があり、かえって自分を苦しめてしまっているのです。

不安から逃げようとすることが逆に不安を強くしてしまう

対人関係がうまくいかない人の場合、人と出会う前に
「何か面白いことを話さなきゃ」
「変に思われないように堂々としよう」

などのように、あれこれ対策を考えたりしますが、結局うまくいかないことが多いというのがよくあると思います。


しかし、こういった経験はないでしょうか。

街を歩いているときに、不意に後ろから知り合いに声をかけられた時を思い出してみてください。

急に声をかけられたのでビックリはしますが、そういうときは意外とスムーズにしゃべることが出来ていたりした経験はありませんか?


今度は逆に「前方から知り合いが近づいてくる」場合を思い出してみてください。

「どうしよう、何を話そう、あっちはまだ気づいてないのかな、気づかないふりして通り過ぎようかな」
などとあれこれ考えてるのですが、知り合いと接触すると上手く話せずにギクシャクとした会話をしてしまったという経験はないでしょうか。


このように、人と出会う前からあれこれ考える(安全確保行動をとる)と、逆にうまくいかなくなることが多いのです。


今のは「人と出会う前の段階」のお話でしたが、実際に人と会っている時も同じです。

「嫌われたくない」
「変に思われたくない」

という思いから、緊張しないように顔を見ないようにして下を向きながら話してしまったりということもよくあると思います。

しかし、やはり顔を見ないで会話をしていると声の方向が相手に向いていないので相手からは聞き取りづらく「え?今なんていいました?」などと言われてしまったりして、それでさらに緊張して声が小さくなってしまったり・・・

といったような現象が起きたりします。


「嫌われたくない」「変に思われたくない」と願っているのに、逆に嫌われたり変に思われたりしてしまうのです。


こうした経験を積み重ねるとさらに不安や緊張は増していき、それらを回避したいあまり安全確保行動も増えていき、しかし安全を確保するはずが逆に失敗してしまい不安や緊張がますます強くなるという悪循環に陥ってしまいます。

不安や緊張からは逃げないほうがいい

ここまでお話ししてきたように、不安や緊張から逃げようとして安全確保行動をとることは逆効果で悪循環に陥ってしまうのがおわかりいただけたでしょうか。


不安や緊張は、逃げれば逃げるほど強くなります。


では、どうしたらこの「負のスパイラル」から抜け出すことができるのでしょうか。

それについて次回の記事でお話したいと思います。

>>【不安や緊張を和らげる方法】簡単にできる認知行動療法とは?